ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金の目的
ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者などが今後直面するであろう課題等(賃上げや制度改正等)に対応するために設けられました。中小企業・小規模事業者などが、この課題等の対応に取り組む新しいサービス・商品開発や生産プロセスの改善を実施し、生産性を向上させるための設備投資等を支援するものです。
募集期間
以前までは、ものづくり補助金の公募は、毎年2月の補正予算成立後に1次、その後7~8月頃に2次の年2回実施が通例だったが、令和2年3月に開始された令和元年度補正予算での公募から、実質的に通年での公募に変更されました。
ですので、公募期間内に申請が間に合わなくても、次の公募に向けて事業計画をブラッシュアップさせて待つことができるのです。また、一度申請が不採択になっても改めて申請ができるのであわせて紹介しておきます。
補助金の対象者
ものづくり補助金の補助対象者は、日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する以下の①~⑤のいずれかの要件を満たすものに限られています。
①資本金又は常勤従業員数が下表に当てはまる会社又は個人であること
業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
製造業、建設業、運輸業、旅行業 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人以下 |
②中小企業(組合・法人関連)
下記の組合等に該当すること。
企業組合、協業組合、事業協同組合、共同組合連合会、商工組合、商工組合連合会、商店街振興組合、商店街振興組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会、酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会、内航海運組合、内航海運組合連合会、技術研究組合
➂特定事業者の一部
1 従業者数が下表の数字以下となる会社又は個人
業種 | 常勤従業員数 |
製造業、建設業、運輸業 | 500人 |
卸売業 | 400人 |
サービス業又は小売業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 300人 |
その他の業種(上記以外) | 500人 |
2 生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
その直接又は関節の構成員の3分の2以上が、常時300人以下の従業員を使用するものであって10億円未満の金額をその資本金の額若しくは出資の総額とするものであるもの。
3 酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
その直接又は間接の構成員たる酒類製造業者の3分の2以上が、常時300人以下の従業員を使用する者であって10億円未満の金額をその資本金の額若しくは出資の総額とするものであるもの。
4 内航海運組合、内航海運組合連合会
その直接又は間接の構成員たる内航海運事業を営む者の3分の2以上が常時500人以下の従業員を使用する者であって10億円未満の金額をその資本金の額若しくは出資の総額とするものであるもの。
5 技術研究組合
直接又は間接の構成員の3分の2以上が以下の事業者のいずれかであるもの。
・上記1
・企業組合、協同組合
➃特定非営利活動法人
・広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行う特定非営利活動法人であること。
・従業員が300人以下であること。
・法人税法上の収益事業を行う特定非営利活動法人であること。
・認定特定非営利活動法人ではないこと。
・交付決定時までに補助金の事業に係る経営力向上計画の認定を受けていること。
⑤社会福祉法人
・社会福祉法人第32条に規定する所官庁の認可を受け設立されている法人であること。
・従業員が300人以下であること。
申請要件
①事業期間実施期間内に事業の手続きが完了する事業であること
グローバル市場開拓枠:交付決定日から12か月以内(ただし採択発表日から14か月後の日まで)
それ以外の枠:交付決定日から10か月以内(ただし採択発表日から12か月後の日まで)
上記それぞれの枠に応じた期間内に、発注・納入・検収・支払等のすべての事業の手続きが完了する事業であること。
②基本要件
以下の3つの要件をすべて満たすこと。
事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
事業計画期間において、事業場内最低賃金を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする
事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率3%以上増加
➂補助事業の実施場所(工場や店舗等)を有していること
補助事業の実施場所が自社の所有地でない場合は、交付申請までに不動産登記事項証明書により所有権が移転していることや賃貸借契約等により使用権が明確であること。
注)補助事業の実施場所とは、補助対象経費となる機会装置等を設置する場所、又は格納、保管等により主として管理を行う場所をいいます。
補助率及び補助額
補助金額は、最低100万円からグローバル枠の最大3,000万円まで様々です。
補助率は、小規模企業者・小規模事業者は対象経費の2/3、それ以外の事業者は1/2となっています。
まとめ
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者等が直面する課題に挑戦する設備投資等を補助するものです。ですので、補助金が目的で申請しても採択される可能性は低くなるかもしれません。補助金なしでも新規事業、新規製造工程を構築するという計画を前提として補助金を活用するスタンスの方が好ましいといえます。
詳細にあっては、「ものづくり補助金事務局のホームぺージ」を参考にしてみてください。
また、補助金の申請は、公募要領通りに行わないと応募要件に該当していないなど、そもそも補助金の審査の土俵にたつこともできないかもしれません。申請を検討される事業者の方は、公募要領を熟読のうえ、申請されることをお勧めします。