500万円以上の建設工事を請負うには、国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要になります。
この許可を受けずに建設工事を請負った場合、建設業法3条1項に違反し、
3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科されます(建設業法47条1項1号)。
発注者からの信用も失いますので計画的に許可を取得することをお勧めします。
そこで本記事では、建設業許可に必要な要件を紹介します。
建設業許可に必要な要件は5つ
建設業の許可を取得する要件は大きく分けて5つです。
その内容を見ていきましょう。
1 経営業務管理責任者
要件の一つ目は、経営業務の管理責任者を有することです(経営業務管理責任者の要件を満たすものが[法人の場合、常勤役員のうち]1名以上必要)。
経営業務の管理責任者とは、建設業の経営に関わる人のことです。
法人であれば、取締役などの役員のことです。
個人事業主であれば、本人のことです。
2 社会保険への加入
要件の二つ目は、適切な社会保険へ加入することです。
適切な社会保険とは、
法人の場合は、国民健康保険以外の保険です。
具体的に言うと、「国民健康保険組合」「全国県保健協会」「健康保険組合」の3つです。
個人の場合は、自治体が管轄する国民健康保険または国民健康保険組合です。
個人の場合でも、常時5人以上雇用する場合は、法人と同様に国民健康保険以外の3つになります。
3 専任技術者
許可要件の3つ目は、専任技術者です。
こちらは、許可を取りたい業種の専任技術者を置かなければなりません。
例えば、電気工事の許可がとりたいのに、鉄筋工事の専任技術者しかいないのであれば、許可がとれないということになります。
4 誠実性
要件の4つ目は、誠実性です。
これは、簡単にいうと、建設工事を請負ううえで悪さをしないかを問われていると思っていただければわかりやすいです。
具体的にいうと、法人であれば、非常勤を含む役員等、支配人及び営業所の代表者が、個人であれば、その本人、支配人及び営業所の代表者が業法(宅建業法等)等の規定により不正または不誠実な行為を行って5年以上経過していることが求められます。
5 財産的基礎
最後に財産的基礎についてです。
一般建設業許可の場合は、以下の3点のいずれかに該当している必要があります。
①自己資本の額が500万円以上であること。
②500万円以上の資金を調達する能力があること。
➂許可申請前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績があること。
特定建設業許可の場合は、以下の3点すべてに該当している必要があります。
①欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと。
②流動比率が75%以上であること。
➂資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上あること。
この要件は、建設工事の契約にもとづいて、資材の購入や着工までの準備費用を要するなど、その営業に必要になる資金確保の必要性から建設業者としての最低限度の基準を定めたものです。
5つの要件+欠格要件
上記で紹介した5つの要件とあわせて最後に確認していただきたいのが、欠格要件についてです。
簡単にいうと、以下の問いのようになります。
・自己破産したことはあるか?
・以前、建設業許可を取り消されたことはあるか?
・以前、建設業の営業停止処分を受けた心当たりはあるか?
・禁固刑、罰金刑、懲役刑を受けたことはあるか?
・未成年者か?
・暴力団と関係があるか?
・精神的な障害があると診断された経験はあるか?
以上の問いに該当しなければ欠格要件に問題はないでしょう。
これは各自治体によっても取り扱いが異なる場合がありますので、
欠格要件の確認の際は、最寄りの自治体へ確認することをお勧めします。
まとめ
最後におさらいです。
500万円以上の建設工事を請負うには、建設業許可が必要です。
許可要件はおもに次の5つです。
①経営業務の管理責任者
②社会保険への加入
➂専任技術者
➃誠実性
⑤財産的基礎
これに+@「欠格要件」が入ってきます。
建設業許可の取得を検討される場合は一度、当てはまるか確認して頂くことをお勧めします。
また、これらの要件は書面で証明しなければなりません。
詳しくは、専門家にご相談してみてください。
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