建設業許可~専任技術者の実務経験者について~

専任技術者と実務経験とは

一般の建設業許可において、許可を受けようとする業種について高校の所定学科卒業後5年以上の実務経験を有する者、大学の所定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者、または10年以上の実務経験を有する者は、許可要件の1つである営業所ごとに置く「専任技術者」となる資格を有します。

実務経験の期間

実務経験の期間は、具体的に建設工事に携わった実務の経験で、当該建設工事に係る経験期間を積み上げ合算して得た期間とされています。さらに、電気工事および消防施設工事のうち、電気工事士免状、消防設備士免状などの交付を受けた者等でなければ直接従事できない工事に直接従事した経験については、電気工事士免状、消防設備士免状などの交付を受けた者等として従事した実務の経験に限り経験期間に算入し、建設リサイクル法施工後の解体工事に係る経験は、とび・土工工事業許可または建設リサイクル法に基づく解体工事業登録で請負ったものに限り経験期間に算入することとされています。

なお、一部の業種については許可を受けようとする業種について8年を超える実務経験と、その他の業種の実務経験を合算して12年以上あれば、営業所ごとに置く「専任技術者」となる資格を有することができます(実務経験の要件暖和)。

1999年10月までは、許可を受けようとする業種について10年(指定学科卒業時は5年、3年)以上の実務経験がなければ、「専任技術者」となる資格を有することができませんでした。1999年の改正により、許可を受けようとする業種と技術的な共通性がある他の業種での実務経験であれば、一定の範囲内で許可を受けようとする業種の実務経験とできるよう要件が暖和され、「解体工事業」でも暖和されています。

実務経験の要件暖和を認める業種の範囲

許可を受けようとする業種について8年を超える実務経験と、その他の業種の実務経験を合計して12年以上あれば、専任技術者の資格を得ることができます。具体的には、次のABCDの4パターンについて実務経験の振り返えが認められます。

A : 「とび・土木・コンクリート」「しゅんせつ」「水道施設」工事業

  土木一式工事業と申請業種の実務経験を合算して12年以上有し、申請業種の実務経験8年を超える場合

         土木一式 → とび・土工・コンクリート、しゅんせつ、水道施設

B : 「大工」「内装仕上」工事業

  建築一式工事業と申請業種の実務経験を合算して12年以上有し、申請業種の実務経験8年を超える場合、および大工工事業または内装仕上工事業の実務経験と合算して12年以上有し、申請業種の実務経験8年を超える場合

         建築一式 → 大工、内装仕上      大工 ↔ 内装仕上

C : 「屋根」「ガラス」「防水」「熱絶縁」工事

  建築一式工事業と申請業種の実務経験を合算して12年以上有し、申請業種の実務経験8年を超える場合

              建築一式 → 屋根、ガラス、防水、熱絶縁

D : 「解体」工事

  土木一式工事工事業、建築一式工事業またはとび・土木・コンクリート工事業と解体工事業の実務経験を合算して12年以上有し、解体工事業の実務経験8年を超える場合

          土木一式、建築一式、とび・土工・コンクリート → 解体

                            ※矢印の方向に向かってのみ振替えが可能

法施行前後のとび・土木工事および解体工事の実務経験年数の取扱い

2016年6月1日より、「とび・土工・コンクリート工事業」から「解体工事業」が分離独立する形で追加されました。ここでは、2016年5月31日までの「とび・土工コンクリート工事業」を「旧とび・土工工事」と、2016年6月1日からの「とび・土工・コンクリート工事業」を「新とび・土工工事」として説明します。

原則、同一の者が複数業種の実務経験を証明する場合、実務経験期間の重複は認められません。例外として、実務経験の要件暖和による場合が規定されていました。さらに、2014年改正法の関係で、2016年5月31日までに請負った旧とび・土工工事の実績での実務経験に限り、同期間中に解体工事の実績がある場合、実務経験期間が重複しても計上が可能となります。

解体工事業の実務経験年数は、旧とび・土工工事業の実務経験年数のうち解体工事業に係る実務経験年数となります。原則として解体工事業の実務経験年数の算出については、請負契約書などを確認して解体工事業の実務経験年数を算出します。その際、1つの契約書で解体工事業以外の工事もあわせて請負っているものについても、解体工事業の実務経験の証明に使うことができます。

なお、提出先である都道府県担当部局によっては、旧とび・土工工事の許可業者が、すでに提出している変更届出書(決算報告)に添付した工事経歴書で、明らかに解体工事業を期間分行っていることが確認できる場合は、確認資料を免除するなどの方法をとることもあります。詳細は提出先の都道府県担当部局に確認してください。

新とび・土工工事業の実務経験年数は、旧とび・土工工事業のすべての実務経験年数となります。

法施行前後の解体工事の専任技術者のみなし規定

2016年6月1日から2021年3月31日までの間は、とび・土工工事業の技術者(既存者に限る)も解体工事業の技術者とみなされます。つまり、解体工事業の実務経験がない場合でも、10年以上のとび・土工工事業の実務経験があれば、解体工事業の専任技術者となれます。ただし、2021年3月31日までに10年(要件暖和による場合は8年)以上の解体工事業の実務経験がなければ、2021年4月1日に許可が失効します。

専任技術者の確認書類について

許可を申請する場合、営業所ごとに置く専任技術者としての適格性と常勤性などを確認するために、行政機関の担当窓口に求められる提出・提示書類を「確認書類(資料)」「疎明書類(資料)」または「裏付け(資料)」などといいます。

一般的な書類は次のとおりです。

ケースによって必要な書類が異なったり、国土交通省の地方整備局等、都道府県によって取扱いが異なることがあるので、事前に確認しておくことが必要です。

専任技術者の確認書類

① 資格・経験確認書類

法第7条、第15条第2号イ、ロ、ハの要件を証明するもの(該当資格により、次の証明が必要)

a 技術者の要件が国家資格者の場合は、その「合格証明書」「免許証」など

 ※技術検定の合計証明書の受領までの間(おおむね半年程度)は、合格通知書でも暫定的に認められる。また、監理技術者資格者証の写し(有効期限が切れているものも含む)でも資格や実務経験は認められる。

b 技術者の要件が大臣認定の場合は、その「認定証」(資格コード99)

c ア 所定学科卒業+所定の実務経験の場合は、「卒業証明書」の原本と、必要期間(3年または5年)の「実務経験証明書」(様式第9号)で、実務経験の内容が確認できるもの(資格コード01)

  イ 高度専門士または専門士+所定の実務経験の場合は、卒業証明書や称号授与書の原本と、必要期間(3年または5年)の「実務経験証明書」(様式第9号)で、実務経験の内容が確認できるもの(資格コード99)

・ 証明者が許可を有している場合……建設業許可通知書の写しまたは許可業種、許可番号、許可年月日、電話番号明記など

・ 証明者が許可を有していない場合…工事請負契約書、請書、注文書の写し(証明期間分)など

・ 個人業者の場合………………………確定申告書控、所得証明書、および契約書など

d 技術者の要件が実務経験の場合は、合計して10年以上の実務経験証明書(実務経験の内容が確認できる書類はcと同様)(資格コード02)

e 指導監督的実務経験の場合は、実務経験の内容欄に記入した工事についての契約書の写し、「指導監督的実務経験証明書」(様式第10号)(資格コードは01、02または53ページの資格コード参照)

② 常勤確認書類

a 住民票(発行後3カ月以内のもの)

b 常勤性を証明するものとして次のいずれか

   ・ 健康保険被保険者証(写し)          ・ 源泉徴収簿、賃金台帳、出勤簿など

〈出向の場合〉

・ 出向協定書(出向元と出向先の身分関係、賃金支給負担額の明記のあるもの)、辞令

・ 出向元の健康保険被保険者証など

・ 出勤簿など

専任技術者は、その営業所に常勤していることが必要です。そのため、社会通念上、通勤可能であることが必要で、本人の住所と営業所の所在地が離れている場合には、次のいずれかの確認書類が求められます。

・ 車通勤の場合…………………通勤経路図、運転免許証、車検証の写し

・ 車以外の交通手段の場合……通勤経路図、交通機関の定期券の写し

そのほか、他社の取締役などを兼務している場合は、他社からの非常勤証明書が必要であったり、略歴書、実務経験期間の常勤証明が必要になるなど、都道府県によって求められる確認書類が異なるので、事前に各都道府県主管課の窓口で確認してください。

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