主任技術者・監理技術者について
建設業の許可を受けている建設業者は、元請業者・下請業者を問わず請負った建設工事を施行するとき、その工事現場における技術上の管理をつかさどる者として、必ず「主任技術者」を置かなければなりません(法第26条第1項)。
発注者から直接工事を請負った特定建設業者が、その建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金総額が4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)以上になる場合は、その工事現場における技術上の管理をつかさどる者として、主任技術者に代えて「監理技術者」を置かなければなりません(法第26条第2項、施行令第2条)。
なお、2014年2月3日の通知(国土建第272号)により、現場に専任する主任技術者の取扱いが、改正・変更されました。
監理技術者を工事現場に置かなければならないのは、特定建設業の元請業者であって上記の金額以上の工事を下請業者に出す場合です。一方、主任技術者を置くのは、一般建設業の工事現場と特定建設業の工事現場で、①下請業者を使用しない場合 ②4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)未満の工事を下請施工させる場合 ③他の建設業者の下請業者として工事を施工する場合です。
主任技術者の資格は、一般建設業営業所ごとに置く専任技術者の資格と同一です。
監理技術者の資格は、特定建設業の営業所ごとに置く専任技術者の資格と同一で、指定建設業の場合は許可基準と同様に、国家資格者または国土交通大臣認定者に限定されます。これらに違反して、主任技術者または監理技術者を置かなかった場合は、罰則が適用されます。
主任技術者の職務は建設工事の施工計画を作成し、具体的な工事の工程過程管理や工事目的物、工事用資材などの品質管理を行い、また、工事の施工にともなう公衆災害などの発生を防止するための安全管理を行うことです。これにより工事の的確な施工を確保するものです。
監理技術者は、以上の職務に加え、建設工事の施工にあたり、下請業者を適切に指導監督するという総合的な機能を果たすことになります。
技術者の工事現場の専任
就任技術者または監理技術者は、請負金額が3,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の「公共性のある施設もしくは工作物または多数の者が利用する施設もしくは工作物に関する重要な建設工事(建設業法施行令第27条第1項に規定する工事)」については、工事現場ごとに専任でなければならないとされています(法第26条第3項、施行令第27条)。
この場合の専任とは、他の工事現場主任技術者または監理技術者と兼任を認めないことを意味します。したがって、原則として専任の主任技術者または専任の監理技術者を常時継続的にその建設工事現場に置かなければなりません。しかし、近接する工事現場などでは、複数の工事現場の主任技術者になることが認められる場合もあります。
この点につき、2014年2月3日の通知(国土建第272号)では、当面の間、工事の対象となる工作物に一体性もしくは連続性が認められる工事または施工にあたり相互に調整を要する工事で、かつ、工事現場の相互の間隔が10キロメートル程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する場合には、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理できると判断して差支えないとされました。しかし、1人の主任技術者が管理することができる工事の数は専任が必要な工事を含む場合は、原則2件程度とされています。
また、個々の工事の難易度や工事現場相互の距離などの条件を踏まえて、各工事の適正な施工に遺漏のないように、発注者が適切に判断することも必要とされています。
なお、この規定は監理技術者には適用されませんので注意してください。
ただ、同改正では、上記の工事で、資材の調達を一括で行う場合や、工事の相当の部分を同一の下請業者で施工する場合なども含まれると判断して差支えないとされました。
発注者から直接建設工事を請負った建設業者が、主任技術者などを工事現場に専任で設置すべき期間は、契約工期が基本になりますが、設計図書もしくは打合せ記録簿などで明確に定めた場合で全面的に工事を中止している期間などは、工事現場への専任は必要としません。
専任技術者を工事現場ごとに置かなければならない「公共性のある施設もしくは工作物または多数の者が利用する施設もしくは工作物に関する重要な建設工事」とは、請負金額が3,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上で、国および地方自治体発注の工事や鉄道、道路、学校、工場、デパートなど多数が利用する施設などの工事で、工事住宅を除き、民間工事も含めてほとんどの工事が対象となります。
また、主任技術者および監理技術者については「監理技術者制度運用マニュアル」(2004年3月1日国総建第315号)で、直接的かつ垣常的な雇用関係にあることが必要とされています。なお、「営業所における専任の技術者の取扱いについて」(2003年4月21日国総建第18号)により、建設業許可を受けている各営業所の「専任技術者」は、原則として現場に配置する主任技術者、監理技術者になることはできません。しかし、工事現場と営業所が近接している場合は、専任を要しない主任技術者となることができると明示されました。
特定建設業の元請業者として工事を請負い、その工事で下請業者に発注した総額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる工事を施工する場合には、一定の資格を有する監理技術者を工事現場に置かなければなりません。
また、「公共性のある施設もしくは工作物または多数の者が利用する施設もしくは工作物に関する重要な建設工事」については、専任の監理技術者を配置する必要があり、この技術者は「監理技術者資格者証」の交付を受けている者であって、かつ国土交通大臣の登録を受けた「監理技術者講習」を修了した技術者を配置しなければなりません。
現場代理人
主任技術者、監理技術者と「現場代理人」とをよく混同する場合がありますが、「現場代理人」とは、現場において請負人の任務を代行する者を指し、施工の技術上の管理をつかさどる主任技術者や監理技術者とは別個の概念です。
現場代理人は、請負人の代理人として、請負契約の適切な履行を確保するため、工事現場に常駐し、その運営、取締り、工事の施工および契約関係事務に関する一切の事項を処理する役割を果たします。
建設業法では、主任技術者(または監理技術者)を置くことを義務づけていますが、現場代理人は義務付けていません。しかし、工事現場における契約上のトラブルを防止し、請負契約を適正に履行するため、現場代理人を選任した場合は、その権限などについて発注者に通知することを義務づけています(法第19条の2)。
現場代理人と主任技術者などとの兼任は認められると解されています。
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