建設業許可取得を前提にした社会保険の手続きとは

社会保険が必要になった理由

建設業界では、これまで社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険)に未加入の企業が存在し、若年入職者減少の一因となっていたほか、関係法令を順守して適正に法定福利費を負担する事業者ほど競争上不利になるという矛盾した状況が生じていたため、2012年11月以降、許可申請書に「健康保険等の加入状況(書式第二十号の三)」が必要になりました。また、加入義務のある場合には、社会保険の加入を証する書類を添付しなければ、許可権者から指導を受けることになりました。なお、公共事業労務費調査によると、2017年10月時点での企業別の社会保険加入率は97%です。

社会保険の加入を証する書類とは

社会保険の加入を証する書類の代表的なものは、年金事務所発行の健康保険・厚生年金保険料の領収書、労働保険概算・確定保険料申告書、領収書があげられますが、各企業の加入状況により異なります。

社会保険は強制加入(個人事業者の従業員5人未満の場合は任意加入)ですから、当然、加入しておく必要があります(加入していない場合の指導などは 「建設業の許可申請に係る健康保険等について」 を参照)。なお、個人事業者の従業員5人未満の場合は任意加入なので、従業員の同意を得たうえで加入することになります。また、雇用保険は、従業員が1名以上いる場合、法人・個人を問わず強制加入ですので、法人ならばほとんどの場合は健康保険、厚生年金保険、雇用保険のいずれにも加入する必要があります。

雇用保険は、法人の役員や個人事業主本人および家族は原則として加入できませんが、例外的に、法人の役員や個人事業主の家族で、労働者としての身分を有し、従業員給与が支給されていると認められる場合は加入できることがあります。

新設法人の場合(既存許可法人の場合は 「建設業の許可申請に係る健康保険等について」 を参照)、設立後すぐに社会保険の加入手続きを行っても、審査の結果が得られるまで一ヵ月前後かかることがありますので、このような場合、許可申請時点では社会保険に加入した書類が用意できなくても、書類到達後すぐに変更届を提出すればよいとされています。ただし、申請窓口により書類確認後でなければ申請が受理されない場合もあります。

また、「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」の常勤性を証する書類は、申請窓口により異なるものの、社会保険の加入を証する書類、住民税の特別微収税額決定通知書などで該当の名前が確認できるものを求められます。ただし、都道府県担当部局によって取り扱いが異なるので、申請窓口で確認しておく必要があります。

なお、中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会基本問題小委員会中間とりまとめ(2018年6月22日)では、社会保険に未加入の建設企業は建設業許可の新規取得・更新を認めない仕組みを建築し、未加企業を下請業者に選定しない取り扱いを徹底する方向性が示されています。

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